プロは次に何を教えるべきか

トップクリエイターが語る「ニコニコ動画」と「商業」の未来(前編)&(後編)

http://www.cyzo.com/2010/01/post_3593.html

http://www.cyzo.com/2010/01/post_3594.html

この記事を読み終わったとき、僕にはどうも引っかかるものがありました。

というのも、わかむらP氏は具体的に「自分が作った創作物の値段のつけかた」を話してはいない。
なのに、ニコ動なんかで名を上げ始めた人には「自分を安売りするな」という内容のコメント。

じゃあ「相場が分からなければ同人クラスで終わってろ」って事なんでしょうか?




アニメであれ漫画であれ、相場というものは存在してますし慣習と化したそれに逆らうような動きもありました。
アニメーターの方が「給料が安すぎる」という訴えをしてましたし、漫画家の方でも「出版社の原稿料の基準がおかしい」と
訴える人も出てきました。

しかしその中で「相場額から離れすぎてるから」と言われても、作品価値のつけ方が分かる人が一握りなら
パトロンとなった企業や関係者に足元を見られるのは必死じゃないんでしょうか。*1
その点において誰かが明確な基準を持ち込まないと、値踏みが慣習化してしまう恐れがあります。
アカロフのレモン市場」という言葉もありますがまさにそれにはなってはいけないはずです。*2

レモン市場
経済学において、レモン市場 (lemon market) とは、財やサービスの品質が買い手にとって未知であるために、不良品ばかりが出回ってしまう市場のことである。
レモンとは、アメリカの俗語で質の悪い中古車を意味しており、中古車のように実際に購入してみなければ、真の品質を知ることができない財が取引されている市場を、レモン市場と呼ぶ(レモンには、英語で「すっぱい」「うまくいかない」等の意味があることから、転じて「欠陥品」を指すようになった)。(wikipediaより)



同じ「創作物の報酬」という意味ではこんなものもあります。

イラストの商業誌無料掲載に関するTL
http://togetter.com/li/2590(togetterへのリンク)


このタイムラインを見ていると、pixivは実のところ「絵師のネームバリューを利用して有名なSNSになろう」と考えている面が
存在していることが垣間見れます。
もちろんこんな陰謀説は僕個人の見解です。

ただ、絵師たちに対する報酬という面で見ると
「素人にはいいかもしれないがプロ相手では不足すぎる」ところがありますね。
明らかにそぐわない報酬でもって絵を描いてもらうというのは「不当な作品価値の低下」につながりやすい、
ともすれば「素人レベルに報酬を下げても文句は出ないだろう」という値踏みを増長させる事になります。







・・・話を戻します。

残念ながら「映像」(MADから完全オリジナルまで)の面では、まだ価値感が分からない人が多いはずです。
そんな中で「価値の基準を理解しろ」というのは難しい話でしょう。
だから少なくとも、「個人感情に振り回される事の無いような報酬基準を周知できる」くらいに理解者が居なければならない。
そうでなければいざ泣きを見るような事になった時、誰も擁護してはくれないでしょう。

先に出したアニメーターや漫画家さんは具体的な額を提示しましたし、それを見ていたネット上でも「それしかもらえないのか」など
いろいろ意見が出ました。
一人では「独りよがりな意見」と切り捨てられることもあるでしょうが、事情を知っている人が何人も集まれば何か良い意見の一つも提案できるはずです。

  • まとめ

相場が分からなければ価値も分かりにくい。
「プロを食えなくする気か!!」と言われても基準が不明瞭(契約者間の密約状態になってしまっている)なら誰もそれに文句が言えないし、考えを寄せる事も出来なくなる。
その前に、アマチュアレベルのクリエイター達に先を行く人たちとしてなんらかの動きを見せて欲しいな、ということ。









・・・

ごめんなさい、うまくまとまってないかも知れない・・・orz

*1:もちろんパトロンである以上作品価値を見極める精度はプロなはずです

*2:売り手と買い手の関係が逆ですが